紙の製造工程

紙の原料は木材と古紙、そしてこれからは植物も。

私たちの生活になくてはならない紙、その原料のほとんどが木材と古紙が占めています。
木材は国産だけでなく、アメリカやカナダといった外国からも輸入されており、製材のときに出る残材や商品に不向きな端材、人工林の間伐材といった他に用途の少ない木材が数多く使われいます。
最近では環境問題を考えるうえで古紙の利用も年々増加しており、原料となる繊維を取り出してほぐし、からみやすくしたのが紙のもとになるパルプとなるのです。

原料の配合比率や表面の塗工処理によってさまざまな用途の紙を生み出すのが、環境にも配慮した最新設備による、抄紙と呼ばれる紙づくりの工程になります。
また、世界各国の紙の消費率が年々増加しており、木材など従来原料の消費率に生産が追いつかなくなる事を踏まえ、成長が早く環境にもやさしい、ケナフやさとうきびなどの植物に代表される非木材の原料も注目されています。

紙の原料

紙はこうしてつくられています。

パルプができるまで(パルプ製造工程)

化学パルプ製造工程

チップ

パルプの原料となる木材の川をむき、細かく削ったもの

蒸解釜

熱と薬品を加えて、紙の原料となる繊維を取り出します

スクリーン
シックナー

取り出した繊維を洗浄し、異物を取り除きます

酵素晒装置・晒装置

パルプの中の着色物を取り除き、パルプを白くします

古紙パルプ製造工程

古紙

新聞やチラシ、雑誌、カタログ、ダンボール、コピー用紙など

パルパークリーナー

集めた古紙を巨大なミキサーでドロドロに溶かします

スクリーン
フローテーター
シックナー

余分なゴミやインク、水分を取り除きます

リファイナー

抄紙の工程に送るため細かく叩解します

パルプ

紙の原料としてのパルプが完成

パルプが完成

パルプから紙づくり(抄紙工程)

ワイヤーパート

液状のパルプをプラスチック製の網(ワイヤー)の上に、同じ厚みで広げます

プレスパート

上下のローラーでプレスして水分を絞ります

ドライヤーパート

熱を加えて乾燥させ、さらに水分を取り除きます

カレンダーリール

表面を滑らかにして、仕上がった紙を巻き取ります

紙加工

決められたサイズにカットされた紙は、さまざまな製品に加工されます